大麻を正しく考える国民会議 -大麻草を検証するサイト 大麻は麻薬ではありません。良質の繊維や油が取れ、医療分野でも活用が期待されています。

大麻は痲薬ではない -中部大学教授 武田邦彦

大麻は痲薬ではない

中部大学教授 武田邦彦



私が大麻の本を書くキッカケになったのは,「その人が犯した罪の何倍ものリンチが行われる」ということ,リンチをする人が「力のある大人」で,リンチを受ける人が「立場の弱い,そして将来,有望な若者」だったこともあった.

どこからか大麻の種を貰ってきて,それを下宿の中で育てる。それだけで逮捕され,大学を退学され,さらにマスメディアが追いかけて陥れる。

一体,その学生が何をしたというのか? その大麻という植物から痲薬成分を抽出し,集団で痲薬を使い,それで廃人が出たり,社会が乱れたというのか?

なにも起こっていない.ただ,「もし・・・,もし・・・,もし・・・」ともしが10ヶもつづいたら,それでも,もしかして日本社会が少し乱れるのではないかというぐらいだ.

それなら,ウソをついた社会保険庁の長官はなぜ逮捕されないのか,リサイクル品でもないものを「リサイクル品」と偽った環境大臣はまだ逮捕されない.

・・・・・・・・・

大麻は痲薬ではない.なぜなら,大麻は植物名であり,痲薬成分を含まない大麻はそこら中に生えている。そして,逮捕された学生の大麻が,痲薬成分をどのぐらい含んでいたか,まったく報道されない.

「大麻を育てていたから,重罪」というのは,どこから来るのか?

痲薬成分(カンナビノール)を含んでいない大麻を育てていたら,逮捕されたというのは,ノンアルコールビール(アルコールゼロ)を飲んで,酔っぱらい運転で逮捕されたようなものだが,その人を社会的に糾弾するというのは異常な社会に相違ない.

そんなことで若者を血祭りにあげる大人は,私は日本人ではないと思う。

日本人は占領軍に大麻を禁止されるまで,2000年間,日本の作物であり,文化として大麻を大切に使っていた.

誇り高き日本人はどうしてしまったのだ!

・・・・・・・・・

さらに言えば,大麻に含まれるカンナビノールという痲薬成分は,お酒の中のエチルアルコール,タバコに含まれるニコチンなどより,遙かに「痲薬としての効果」は小さい.しかも,まったく習慣性は認められない.

逮捕された大学生はまさにリンチだ.その大学生が社会におよぼす影響より遙かに重い罪を背負った.一刻も早く助け出し,将来に向かって研鑽させなければならない.

・・・・・・・・・

さらに言えば,大麻がお酒やタバコよりずっと弱い精神作用しかもたないが,日本社会からすべての嗜好品を追放するのは,日本人総家畜化の一環ではないか.

日本人は自制心があり,アメリカなどと違って痲薬を禁止したことはなかった.アメリカはお酒すら禁酒法で禁止した国で,いわばレベルの低く,狂気をはらんでいる国家だ.

アメリカと日本を同列にして貰っては困る.仮に学生が大麻を育てても,そんなことに左右される日本人の大人ではない.

私は昨年から今年にかけての大麻騒動も,現代の大人の幼児性,政府による国民の家畜化,そして大麻追放の天下り団体,良い子を見せたいNHKの仕業であり,日本にとってとても残念なことだと思う.

せめてNHK以外のマスメディアの記者の方,ご自分のご判断で冷静な大麻報道をしてください.若い学生のためにお願いします.過度に罰せなければ,彼等は必ず反省し,立派な人間になります.

(平成21年8月2日 執筆)



大麻取締法改正へ向けて 寄稿

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional