訴因不特定の根拠
【中山大麻裁判】訴因不特定の根拠
中山大麻裁判第1回公判の中で、弁護団は本件捜査過程における違法捜査および訴因不特定(犯罪の具体的事実が特定されていないこと)を指摘し、以って裁判所に対して公訴棄却の申立てを行いました。
弁護団が指摘した訴因不特定の理由は下記の通りです。
1.「みだりに」の記載について
公訴事実(起訴状に明記される犯罪事実)に「みだりに」との記載がありました。
「みだりに」は構成要件(犯罪の成立要件)であり、いかなる事実がこれに該当するのかが明らかにされなければなりません。
単に「みだりに」との記載では被告人の防御の対象が不明確なままです。
2.「大麻を含有する乾燥植物片約27.509グラム」の記載について
大麻取締法1条によると、「大麻とは大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。」と定義されています。
公訴事実に記載されている「大麻」が大麻草のことであるならば、この記載は大麻草以外に乾燥植物片なる別のものが含まれていることになります。
同法24条の2第1項の対象は「大麻」なのであって,それ以外は対象になりえないはずです。
よって,「大麻を含有する乾燥植物片約27.509グラム」との記載では、防御の対象が不明確なままです。
結論として、本件起訴状は訴因が特定されていないので無効であると判断されます。