「大麻」とは「大いなる麻」の略語です。良質の繊維や油が取れ、医療分野でも活用が期待されています。

違法捜査の実態

【中山大麻裁判】違法捜査の実態について

中山大麻裁判第1回公判の中で、弁護団は本件捜査過程における違法捜査および訴因不特定(犯罪の具体的事実が特定されていないこと)を指 摘し、以って裁判所に対して公訴棄却の申立てを行いました。
弁護団が指摘した違法捜査の内容は下記の通りです。


1. 捜索差押許可状の請求に重大な違法がありました。

中山康直氏を逮捕するために使用された捜索差押許可状(俗に「ガサ状」とも呼ばれる令状)には、被疑者氏名欄に「中山康直」の記載が無く、別件の大麻取締法違反事件の被疑者である別人の氏名が記載されていました。
この事実は、捏造した疎明資料で本件の捜索差押許可状が詐取されたことを疑わせるものです。
また、被疑者名の特定されていない捜索差押許可状が請求されて許可状が発布されており、刑訴法219条1項に反して違法です。

2. 捜索差押許可状の呈示に違法がありました。

警察当局は4通ある捜索差押許可状のうち1通しか中山氏に呈示しておらず、刑訴法222条1項により準用される刑訴法110条に反する違法がありました。

3. やむおえない事由なく不当な勾留延長を実行しました

10日間の勾留中,中山氏に対して取調べらしい取調べは行われていませんでした。
また、実況見分等も行われませんでした。
このようないい加減な捜査が行われていたにもかかわらず,捜査担当検察官は「被疑者の取調べ未了」として勾留延長を請求をしたのは、刑訴法208条2項に反する違法です。

4. 捜査担当検察官は一度も中山氏の取調べをしませんでした。

弁護人が捜査担当検察官に対し、中山氏が同検察官による取調べを要望している旨の申し入れをしたにもかかわらず、捜査担当検察官は一度も中山氏の取調べをすることがありませんでした。

結論として、本件公訴提起は公訴権の濫用がありました。

検察官は公益の代表者であり、かつ国民全体の奉仕者です。
よって、検察官は国民の常識にかなう適正妥当な検察権行使により、国民が納得する良識ある検察を実現しなければならないという義務を負うものといえます。
捜査担当検察官は一度も中山氏の取調べをせずに先に述べた数々の違法を放置したまま漫然と公訴提起をしています。
検察のあり方が問われている現在において、捜査担当検察官が担当する事件の被疑者を一度も取調べしないで顔も見ないまま公訴提起をするということは、検察権の行使として国民は納得しません。
また、捜査過程の違法が放置されたままであったのは、捜査担当検察官が真剣に本件事件と向き合っていなかったからです。
したがって、一度も被疑者の取調べを行わずに漫然と数々の違法を放置して公訴提起をすることは、国民の常識にかなう適正妥当な検察権行使とはいえず公訴権の濫用にあたるというべきです。

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